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エジプトのぼったくりは本当?10倍の金額を請求されたトゥクトゥクや、チップの相場の話

最終更新: 2026-09-25 / 文・写真: TheYutake(ゆーたけ)

エジプトの旅では、チップが必要なことはガイドブックで事前に知っていました。ところがチップどころでなく、明らかなぼったくりに何度も遭遇することになりました。今回の記事では、エジプトのぼったくりが実際のところどんなケースがあるのか、チップはいくら求められるのか、そしてピラミッド以外の観光ポイントなどを、実体験とまじえて紹介していきたいと思います。

エジプトの基礎データ

首都カイロ
人口約1億1,837万人(World Bank Open Data(SP.POP.TOTL)・2025)
面積約100万㎢(日本の約2.7倍)(外務省「エジプト・アラブ共和国 基礎データ」・2026)
言語アラビア語
世界遺産メンフィスとその墓地遺跡(ギザの三大ピラミッド)(世界遺産一覧 yu-take.com・2026)

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エジプトのぼったくりは実際どうか—トゥクトゥクの料金が10倍になった話

エジプトのぼったくりは、金額の大きさよりも交渉の長さで消耗します。

カイロで、歩けば30分ほどの距離をトゥクトゥクで移動しました。

乗る前に料金を聞くと、運転手は指を5本立てて見せました。5ポンドだと受け取って、念のため何度も確認してから乗りました。

降りるときに言われたのは50ポンドです。あの5本の指は、5ではなく50のことでした。

粘っていると運転手は周りの人を呼び、複数人で囲まれる形になりました。時間のほうが惜しくなって、言われた額を払いました。

50エジプトポンドは日本円で150円ほどと、大きな金額ではないです。それでも明らかに嘘の金額を伝えられたことや、支払いをするときにいちいち揉めることで後味が悪く、精神的に疲弊します。

ギザのピラミッドには、前日のこともあったのでUberを呼びました。カイロの街から20キロほどで、300円ちょっと。料金の話は一度も出ず、気楽でした。

ただ、配車アプリなら安心というわけでもありません。ルクソールではUberが使えなかったので、空港から宿まで別の配車アプリのCareemを使いました。

車に乗って空港を出るゲートのあたりで、運転手が「実はアプリが今不具合で、町の周辺での動作がおかしいんだ」と言い出しました。

結局、空港の中を走った分の料金をアプリで請求されたうえに、空港から町までは現金で交渉するはめになりました。

カイロ旧市街の広場。三輪タクシーのトゥクトゥクが走り、奥にモスクの尖塔が立つ
料金交渉の舞台になったカイロの旧市街(2025年3月)

エジプトでチップはいくら払う?現地ガイドなどで求められた金額

頼んでいないことにも対価を求められるので、小額紙幣を切らさないのが一番の防御です。

モスクでは入口で靴を脱ぎます。その靴を、こちらが頼む前に預かってしまう人がいて、出るときには必ずチップを求められました。払ったのは5ポンドです。

これはそういう文化だと受け止めています。郷に入っては郷に従えで、靴を預けたらチップを払うもの、と思っておけば腹は立ちません。

道を歩いていると、頼んでもいないのに案内が始まります。10分ほど並んで歩かれ、その間ずっと「マネー」と言われ続けました。

公園では鞄の中をのぞかれ、入口ではカメラを持っているなら有料だと言われました。払わずに、公園の外側を回りました。

モハメド・アリ・モスクでは、入口でカメラは何も言われないのに、マイクを1つ没収されました。

アスワンのエレファンティン島では、3か所を見て回るのに3人のガイドがそれぞれ付いてきて、全員からチップを求められました。払ったのは1人だけで、10ポンドです。

電車に乗るときには、大した荷物でもないのに、車掌さんのような人に「チケットの席を案内するよ、荷物かして」と言われました。結局、最後にチップを求められて5ポンド渡しました。

対策は単純で、小額紙幣を切らさないことです。崩しておかなければ、高額なチップを支払うことになります。

場面求められたこと払った額
モスクの靴預かり(カイロ)頼んでいないのに靴を預かられ、出るときにチップ5ポンド(約15円)
エレファンティン島のガイド(アスワン)3か所で3人のガイドが付き、全員からチップ1人に10ポンド(約30円)
電車の乗車席への案内と荷物運びのあとでチップ5ポンド(約15円)
トゥクトゥク(カイロ)5ポンドのはずが降りるときに50ポンド50ポンド(約150円)
自転車のハンドル越しに見た舗装路。両脇は乾いた岩山が続く
ルクソールの西岸は自転車で回れる。客引きに会う回数が減る(2025年3月)

エジプトはピラミッド以外に何がある?—世界遺産条約が生まれた場所

アブ・シンベル神殿の救出が、世界遺産条約が生まれるきっかけになりました。

アブ・シンベル神殿は、エジプトのいちばん南、スーダンとの国境の近くにあります。

ルクソールから電車で3〜4時間かけてアスワンへ、そこからさらにバスで4時間。当日は朝3時に起きて向かいました。

神殿の高さは20メートルほどで、近づくと石に切断の線が入っているのが見えます。現地の表示によると、元の場所から西へ210メートル、64メートル高い場所に移されたものです。

アスワン・ハイ・ダムの建設で、神殿は水没するはずでした。1959年、エジプトとスーダン両政府の要請を受けて、ユネスコが国際的な救済キャンペーンを始めます[3]。

費用は約8,000万米ドル。その半分を、およそ50か国が出しています[3]。この成功をきっかけにユネスコは文化遺産を守る条約の草案づくりに入り、1972年の世界遺産条約につながりました[3]。

めったにお土産を買わない私が、ここのマグネットだけは買いました。

アブ・シンベル神殿の正面。岩山を掘り抜いた4体の巨像が並ぶ
アブ・シンベル神殿。ここを水没から救う計画が、世界遺産条約の出発点になった(2025年3月)
王家の谷の墓室内部。壁一面にヒエログリフと彩色壁画が残っている
王家の谷の墓室。地下のため彩色がよく残っている(ルクソール・2025年3月)
ナイロメーターの内部。石造りの縦穴の中央に、目盛りの刻まれた柱が立っている
エレファンティン島のナイロメーター。ナイルの増水の高さを測り、その年の農業と徴税を決めた(アスワン・2025年3月)

エジプトでは何を食べる?ラマダン中に探したコシャリとヌビア料理

コシャリは米と麺とパスタを一皿に重ねた料理で、店によって味が変わります。

旅したのはラマダンの期間中(2025年3月)で、食堂がほとんど開いていませんでした。

ギザの街を歩き回って、ようやく見つけたのがコシャリの店です。

米と麺とパスタにトマトソースをかけ、揚げた玉ねぎをのせます。炭水化物ばかりを重ねた一皿で、見た目以上にお腹にたまりました。

南のアスワンでは、ヌビア料理のネグレスコパスタを食べました。グラタンとパスタの中間のような料理で、旅の中でもいちばん好きな味でした。値段も安かったです。

翌朝は同じ店のヌビア式の朝食にしました。シャクシュカと豆のカレーが並んで、朝ごはんにしては豪華すぎるくらいでした。

屋台でコシャリにトマトソースをかけているところ。米とマカロニとレンズ豆を重ねた一皿
コシャリ。米とマカロニと豆を一皿に盛る、エジプトの定番(2025年3月)

1エジプトポンドは何円?両替すると50ポンド札が何十枚も出てくる

1エジプトポンドはおよそ3円で、5エジプトポンド紙幣(およそ15円)から使用するので、紙幣の枚数が大量になりがちです。

1エジプトポンドはおよそ3円です(2025年3月の旅行時点)。2026年9月23日時点でも約3.03円で[4]、大きくは動いていません。

空港のATMで1万円ほどを引き出したところ、出てきたのは3,300ポンド。それが50ポンド札で66枚でした。厚みがありすぎて財布に入りません。

これだけ細かい札で出てくるのは、偽札を防ぐためと、チップをどこでも払いやすくするためだと理解しています。

ギザのピラミッドは、通常の入場料だけで700ポンド、クフ王のピラミッドの内部に入るにはさらに1,500ポンドかかりました。チケットはオンラインで先に買っておいたので、並ばずに入れました。

手に持った50エジプトポンド紙幣の束。何十枚も重なって厚みが出ている
空港のATMで1万円ほど下ろすと、50ポンド札がこの枚数で出てくる(カイロ・2025年3月)

エジプトと日本との比較

一度きりの相手にも誠実でいる、という前提が、ここでは弱いのだと思います。

エジプトで感じた居心地の悪さは、値段というより、相手がこちらと二度と会わない前提で振る舞っている点が大きな理由の1つです。

比較的まともに会話できた現地の人に「なぜ多くのエジプト人は嘘をつくのか?」と思わず聞いてしまったこともありましたが、「それは君が外国人だからだと思うよ、私たちエジプト人がごめんね」と答えられたことがありました。

善良なエジプト人ももちろんいましたが、配車アプリや飲食店、宿泊施設のように評価システムがある場でないと、今目の前の客から取れるだけ取るのが当たり前なのです。

そして、周りのエジプト人が強引に稼いでいるなら、自分も強引にやる、というマインドが根底としてあるように感じます。

また、イスラム教の解釈の仕方として、恵まれている人(観光客)は、そうでない人に多く支払うのが当たり前だという価値観も感じました。

日本では自己責任論の風潮が強すぎるところもありますが、格差が広がると外国人に対して排他的になるのは先進国も共通していると思います。

ただ、南のアスワンで会ったヌビアの人たちは穏やかで、同じエジプトでも土地によって空気がはっきり違いました。

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エジプトに関する、よくあるギモン

Q. エジプトのぼったくりって、どれぐらいの金額?
私が払った中でいちばん大きかったのは、10倍を請求されたトゥクトゥクの50エジプトポンド、日本円で約150円です。痛いのは金額より、交渉に使う時間でした。小額紙幣を用意しておくと、やりとりが短く済みます。
Q. エジプトでタクシーは使わない方がいい?
配車アプリのUberでは、料金の交渉が一度も起きませんでした。カイロの街からギザのピラミッドまで20キロほどで、300円ちょっとでした。ただ、ルクソールではUberが使えず、別の配車アプリで「アプリの不具合」を理由に現金の交渉に持ち込まれたこともあります。流しのトゥクトゥクやタクシーに乗るなら、乗る前に金額を決め、紙に書いて見せるのが確実です。
Q. エジプトのチップの相場は?
私が払ったのは、モスクの靴預かりで5ポンド、電車で荷物を運ばれたときに5ポンド、アスワンのエレファンティン島のガイドに10ポンドでした。日本円で15〜30円ほどです。小額紙幣を崩しておかなければ、高額なチップを支払うことになります。
Q. ピラミッド以外に何がある?
南端のアブ・シンベル神殿は、1959年にユネスコが始めた救済キャンペーンの対象で、1972年の世界遺産条約につながった場所です。ほかにルクソールの王家の谷の彩色壁画があり、アスワンではヌビア料理も食べられます。
Q. 両替はどこですればいい?
通貨はエジプトポンドで、1ポンドはおよそ3円です(2025年3月の旅行時点。2026年9月23日時点でも約3.03円)。空港のATMでは50ポンド札がまとまって出てきます。チップや屋台の支払いは小額紙幣で済むので、崩しておくと動きやすくなります。

参考文献・出典

  1. [1] 外務省(2026)「エジプト・アラブ共和国 基礎データ」外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/egypt/data.html
  2. [2] World Bank(2025)「Population, total - Egypt, Arab Rep.」World Bank Open Data https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.TOTL?locations=EG
  3. [3] UNESCO World Heritage Centre(2026)「The World Heritage Convention」UNESCO https://whc.unesco.org/en/convention/
  4. [4] Open Exchange Rates API(2026)「Latest rates - EGP」open.er-api.com https://open.er-api.com/v6/latest/EGP
  5. [5] 外務省(2026)「エジプト 安全対策基礎データ」外務省 海外安全ホームページ https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_123.html